VF(バキュームフライ)について
VFの原理
水の沸点は圧力により変化します。
通常は100℃で沸騰し始める水が、富士山の頂上では90℃で沸騰し始め飯盒炊爨(はんごうすいさん)のご飯が生炊きになるという現象はご存知の方も多いと思います。
圧力が低いほど水が低温で沸騰(蒸発)し始めることを利用したのがバキュームフライの技術です。
真空(減圧)状態で乾燥することにより、昇華(個体→気体)が起こり、多孔質な乾燥食品が出来上がります。ここまではFD(凍結乾燥)と同じ原理になりますが、バキュームフライは熱媒体として油を使用しています。
乾燥させるためには熱の供給が不可欠です。FDは熱板による接触加熱が主となります。(他にもマイクロ波・赤外線加熱を使用することもある)
バキュームフライは加熱した油が直接食品に接触し加熱するため、熱効率が良くなります。
VFとは?
乾燥食品の製造方法の1つです。
代表的な食品の乾燥方法として、AD(熱風乾燥)、FD(凍結乾燥) があります。その他にも図のように温度・圧力・熱媒体の違いによって種々乾燥方法が存在します。
製法
フライヤー内を真空(減圧)状態にすることにより水分を蒸発しやすい環境にし、さらに油を熱媒体とすることで、低温で効率よく乾燥調理できます。
特徴
素材のおいしさをそのまま活かした商品(色調・栄養成分)
低温でフライすることにより、退色・変色が抑えられます。
復元性にすぐれている
真空下で水分を蒸発させることにより、ポーラスな状態で乾燥することが可能です。
クリスピーな食感+調理感
油を使用することにより調理感が生まれ、そのまま食べてもおいしい素材が作れます。
使用用途
インスタント食品の具材
ラーメン・カップスープ・味噌汁など復元性の求められる具材に
スナック菓子
ポテトを主体とし、その他素材のおいしさを生かした商品に
独自技術について
連続式フライヤー
特殊なシール方式を採用することにより、連続的に真空を保つ事が可能となっております。脱油機も一連の流れに組み込まれており、人手のかからない装置です。設備能力としては、1ton/hrの水を蒸発させる事が可能です。通常生産時は冷凍原料投入約700kg/hrの大規模設備です。
バッチ式フライヤー
生産能力、真空能力、脱油方式等が異なる真空フライヤーを設備しており、お客様のご要望にあった設備で生産することが可能です。
連続式フライヤー
バッチ式フライヤー
処理能力(原料投入量)
10t~15t/日
(400kg~700kg/hr)
150kg/B~200kg/B
真空度
約4000Pa
約4000Pa
油温
80℃~110℃
80℃~110℃
連続式フライヤー
処理能力
(原料投入量)
10t~15t/日
(400kg~700kg/hr)
真空度
約30torr
油温
80℃~110℃
バッチ式フライヤー
処理能力
(原料投入量)
小型機:100KG/B
中型機:200KG/B
真空度
約30torr
油温
80℃~110℃
安全・安心のシステム
弊社では原料の受入から出荷まで一貫した製造体制により
お客様へ安全・安心をお届けすることができます。
安全・安心な食品を製造する為の品質管理を徹底
安全性を確保するため、製造工程での異物混入防止や衛生管理をはじめ、残留農薬のチェックなどの、原材料の調達も含めた品質管理を徹底し、お客さまに安全で、安心して使っていただける製品を提供しています。
原料野菜の栽培・収穫から、製造、納品までの
各ポイントで品質チェックシステムを構築・運用
原料野菜については使用農薬の種類や使用量を、製造工程については使用機器や使用条件を重要管理項目として定め、日々チェックを行うシステムを構築し、運用しています。また、虫や金属などの異物の混入を防止するための活動を積極的に行っています。
原材料・製造工程のトレース情報を詳細に管理
商品に記載される識別記号(ロットナンバーや賞味期限)から、製造日や製造に使用した機器をはじめ、原材料の原産地や収穫時期にいたるまでのトレース情報を詳細に管理し、お客さまからのお問い合わせに、素早くお応えできる体制をとっています。
製品ができるまで